競合調査とは

競合調査の実施手順の1つめは目的を明確にすることです。競合調査の目的は、やみくもにたくさんの競合他社データを集めることではありません。分析をした結果、どのような成果を得たいのか、それをマーケティング戦略にどう活かしていくのかといったような、具体的な目的を持つことが重要です。目的がハッキリしない場合、競合が多い事業だと調査対象も多くなり、時間とコストだけが浪費されてしまう恐れがあります。競合調査を行う目的には、顧客満足度の向上や商品やサービスのリニューアル・ビジネスモデルの再考・コーポレートサイトのリニューアルなどさまざまなものがありますが、自社にとって特に重要なものを選択しましょう。

競合調査の実施手順の2つめは、調査対象となる競合を洗い出すことです。自社が売り出したい商品やサービスに対しての既存の競合企業や今後競合になり得る企業のような観点から、対象の事業・企業をピックアップしていきます。ここで重要なのは、「顧客」です。提供している商品やサービスが違っていたとしても同じ顧客を共有していれば競合調査の対象になるからです。
では具体的にどういう競合他社を調査すればいいいのでしょうか？片っ端からピックアップしていては時間ばかりを要してしまい、コストも膨大になってしまいます。競合調査の対象になりやすいのは、業界のトップ企業・自社とマーケティング戦略が似ている企業・同価格で商品やサービスを提供している企業・低価格で高クオリティな製品を開発している企業・シェア率が低い企業などです。事業が上手くいっている企業を分析することはもちろん大切ですが、逆に上手くいっていない企業も分析することも重要です。なぜうまくいってないかを分析できれば反面教師となり、自社の商品やサービスに活かすことができるので調査対象に含める価値はあるでしょう。

３つめの手順は調査・分析項目を決めることです。競合調査を行い、その結果を分析する際に欠かせないのが比較です。比較をすることで強み・弱み・特徴などが明らかになり、改善するための方法が明確になるからです。分析する主な項目としては、ビジネスモデル・商品やサービスの内容・Webサイトの内容・販売戦略・人事戦略などがあります。

競合調査の実施手順の4つめは仮設の立案と検証です。自社の強み・弱みや現状を認識したうえで、競合との違いとなる要素の仮説を立てます。仮説立案後には、その仮説にもとづき競合調査を実施します。具体的には、ホームページや関連サイトをリサーチしたり、競合他社の商品やサービスを利用したり、競合企業に直接訪問したりする方法などがあります。そして、調査項目ごとに自社と競合他社を比較することで、あらかじめ仮説立てした差別化戦略が正しいのかを検証します。仮説が正しいのかを照らし合わせることで、さらに効果的なマーケティング戦略を立てることができるようになります。競合調査を行い仮説が誤っていた場合は、その要因を特定して新たな仮説を立案することが求められます。競合調査を繰り返し行うことで「そもそも立てていた戦略自体の方向性は正しかったのか」「正しくなかった要因はなんだったのか」といったことまでより詳細に分析できるため、今後の事業展開のための判断材料にもなるでしょう。