“会社やお店のアピール(訴求)”、“商品やサービスの紹介”、“お問い合わせにつながる構成”など、ホームページに必要な要素とその対策は、もはや当たり前のように定着化しています。SEO対策についても、ホームページを閲覧するユーザーのためのホームページ構造(CTA、モバイルフレンドリーなど)、コンテンツの充実をはじめ、さまざまな手法がインターネットでも多数紹介されていますが、たくさん情報があると、何から着手していいかわからなくなってきますよね。
皆さんは「E-A-T」という言葉を知っていますか?E-A-Tは、Googleがコンテンツ(ホームページ)の品質評価ガイドラインとして定めたコンセプトです。E-A-Tが高いホームページはユーザーからの信頼を得やすく、Googleからも評価されやすいという特徴があります。
本記事は、E-A-Tとは何か、その誕生の背景、E-A-Tをふまえた掲載例について詳しく解説します。
E-A-Tとは?
E-A-T(イーエーティー)は「Expertise(専門性)」「Authoritativeness(権威性)」「Trustworthiness(信頼性)」の頭文字を取った略語です。Google は外部の検索品質評価者と協力してホームページ検索結果の品質を継続的に評価しています。この3つの要素は、その検索結果の品質を評価する際、特に重視しているポイントです。以下にそれぞれの要素について解説します。
専門性(Expertise)
ホームページのコンテンツを作成した人物や組織が、その分野でどれだけ深い専門知識を持っているかを評価します。医者が執筆した病気に関する専門知識などが該当します。
権威性(Authoritativeness)
作成者や組織がその分野で「権威」として認識されているかを評価します。業界内で有名な賞を受賞していたり、他の信頼性の高いホームページや専門家からのリンクや言及が多い場合、権威性が高いと見なされます。
信頼性(Trustworthiness)
ホームページの情報が正確であるか、著者情報の明記(誰が書いたか、引用元はどこかなど)があるか、安全性やプライバシー保護に配慮されているかといった点が信頼性の指標となります。ユーザーが安心して利用できるホームページであることが求められます。
E-A-T誕生の背景
Googleの「検索品質評価ガイドライン」でE-A-Tが公開され、2017年12月に発表された「医療や健康に関連する検索結果の改善について(通称:医療アップデート)」により、E-A-Tの重要性は飛躍的に高まりました。このアップデートでは、健康や金融といったユーザーの生活に大きな影響を与えるYMYL(次の項目で詳しく解説します)に対して、E-A-Tの適用をより重視するようになりました。その結果、高品質で信頼できる情報を提供するホームページが検索結果で優先的に表示されるようになったのです。
E-A-TはGoogleのミッションである「世界中の情報を整理し、それをすべての人にとってアクセスしやすく、有用なものにする」という目標や、“Google が掲げる 10 の事実”の中の「ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる。」というユーザーファーストの姿勢によるものと密接に関連していると考えられます。
出典:「Google が掲げる 10 の事実」https://about.google/philosophy/?hl=ja
E-A-Tと密接関係にある「YMYL」
YMYLとは、Googleの検索品質評価ガイドラインで言及されている”Your Money or Your Life”の略です。YMYLは「人の将来の幸福、健康、経済的安定、または安全に影響を与える可能性のあるトピック」と定義されています。一言でいうと、人生や生活に関わるコンテンツ(またはホームページ)はYMYLにあたります。
【YMYLの主なテーマ】
・ニュースや時事問題
・市民権、政府、法律
・金融
・ショッピング、買い物
・健康と安全(医療関係や災害情報など)
・人々の集団(人種・民族など)
・その他
いかなるコンテンツでも正確・信頼性の高い情報が理想なのですが、ホームぺージに掲載されている、人生や生活に関わる情報に虚偽や誤りがあれば、その後の生活に害を及ぼすリスクがあります。そのため、GoogleではE-A-Tを重要視するかたわら、YMYLについては厳しく評価しています。
E-A-Tはなぜ必要か
インターネット上には多種多様な情報が存在し、その中には誤った情報や信頼性の低い情報も含まれています。そのため、ユーザーが安心して情報を取得できる環境を提供することが求められます。E-A-Tを意識したコンテンツの作成がユーザーの有益さにつながることでGoogleの検索品質評価基準を満たし、間接的にSEOにも良い影響をもたらします。次に、E-A-Tを高めることによって得られるメリットと、病院のホームページに当てはめた場合の例を紹介します。
①ユーザー信頼の向上
E-A-Tに基づいて情報を提供することで、ユーザーはホームページに対する信頼感を持ち、再訪や共有につながります。
②Googleでの評価向上
高品質なコンテンツはユーザーから信頼され、それによりGoogleによって高く評価されます。
③ブランド価値の向上
専門性や信頼性が高いと評価されることで、企業や団体のブランドイメージも向上し、競争力が強化されます。
■病院のホームページから考えるE-A-T■
専門性の向上
医師や専門スタッフのプロフィールを掲載し、資格や経歴、専門分野を詳しく説明することで、専門性をアピールします。
権威性の向上
病院が学会や公的機関から認定を受けていることを明示し、他の医療サイトや信頼できる情報源からのリンクを獲得することが重要です。
信頼性の向上
患者のプライバシーを保護するためのポリシーや、有資格情報(専門医など)を掲載します。また、正確で最新の医療情報を提供することで、ユーザーの信頼を得られます。サイトのセキュリティ対策(SSL証明書の導入など)を徹底することも、信頼につながります。
E-A-Tは、ユーザーに信頼されるホームページを構築するための重要な指標です。特にYMYL分野では、E-A-T基準を満たすことでユーザーの信頼を得るだけでなく、Googleからの評価も向上させることができます。専門性・権威性・信頼性を高めるための具体的な施策を講じることで、長期的なブランド価値の向上にもつながります。
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