電車やバスに乗った際、ぐるりと周りを見渡して見てください。ほとんどの人たちがスマートフォンやタブレット端末といったモバイルデバイスを見つめています。動画を観ている人やゲームをしている人、お気に入りのショップの新着情報をチェックしている人…。見ているものは人それぞれですが、こんな風に移動時間までホームページやアプリを快適に楽しめるようになったのは「モバイル最適化」のおかげだと言えます。
「モバイル最適化」とは、読んで字のごとくホームページやアプリをモバイルデバイス向けに最適化することを意味します。モバイルデバイスが私たちの生活に欠かせないものとなっている今日、ホームページやアプリを持つ企業にとって、この「モバイル最適化」は避けて通れない重要なプロセスになりました。自分自身はスマートフォンで快適にネットサーフィンしているのに、自社のホームページのモバイル最適化はまだ…という方!そろそろ真剣に考えてみませんか。
待ったなし!モバイル最適化すべき理由とは
皆さんは一日、どのくらいの時間をスマートフォンに費やしているでしょうか。通勤中、入浴中、挙句の果てはトイレまで…「ずっとスマートフォンと一緒!」という方も少なくないはずです(かく言う私もその一人です)。
スマートフォンの魅力は、どこにでも持ち運びが出来て、思い立った時にすぐに操作が出来る手軽さです。もちろんパソコンも軽量化が進み、持ち運びに便利なものが多く発売されています。しかし、ポケットに入るサイズでありながら、画面タッチで直感的に操作が出来るスマートフォンは多くの人にとって、パソコン以上に生活に欠かせないものとなっているのではないでしょうか。
スマートフォンが生活に欠かせないように、ホームページやアプリにとっても「モバイル最適化」は今や欠かせないものになりました。せっかく作ったホームページもモバイル最適化をしていないばかりに、訪れる人もなく、運用の努力が水の泡…なんていう事態を避けるためにも、早急に対応することをおすすめします。
理由①モバイル最適化でユーザー体験の向上をめざすべし!
なぜモバイル最適化が必要なのか。最初の理由は、ユーザー体験(ユーザーエクスペリエンス)の向上にあります。多くの人がスマートフォンを長い時間利用していることは先述の通りですが、それもモバイル最適化があればこそ。モバイル最適化されていないホームページは、スマートフォンで見た際に
なかなか画像が表示されなかったり、どこに何の情報があるのかさっぱりわからなかったりと訪問者を苛立たせます。
反対に、スマートフォンでも快適に閲覧、操作ができれば、ユーザー体験は向上し、ホームページの訪問者が見込み客となる可能性も高くなります。モバイルデバイスで閲覧されることを意識し、応答性の向上や読み込み速度の最適化、レイアウト改善などを行うことがユーザー体験を向上させることにつながるのです。
理由②無視できない!Googleの「モバイルフレンドリーアップデート」
検索エンジンの代表格といえばGoogleです。このGoogleがユーザーの利便性を高めるため
2015年4月21日に1回目の、2016年5月12日には2回目の「モバイルフレンドリーアップデート」を行いました。これらのアップデートにより、ホームページは「スマートフォン表示向けに最適化されているか」という点で評価され、検索結果に大きな影響を与えることになりました。
これ以降、ホームページを検索結果の上位に表示させるSEO対策として「モバイル最適化」は欠かすことができないものとなりました。
理由③モバイル最適化はビジネス競争力にも影響あり!
スマートフォンをはじめとするモバイルデバイスの普及により、ユーザーは「いつでもどこでもホームページにアクセスできること」を求めるようになりました。
外出先で知らないことやものに出会ったとき、「家に戻ったらパソコンで調べてみよう」とメモを取る人が今、どれだけいるでしょうか。多くの人はその場でスマートフォンを取り出すはずです。
これは商品やサービスについても同じことが言えます。
モバイル最適化したホームページでは、ユーザーにいつでもどこでも自社の商品やサービスについて閲覧してもらうことができます。ユーザーの中には必要な情報を得たら「売り切れては大変!」とそのまま商品の購入に進む場合もあるでしょう。モバイル最適化に足踏みしていては、このような売上は望めません。
さらに競合他社のホームページがモバイル最適化している場合、問い合わせや売上がそちらに流れてしまう可能性もあります。知らないうちにそんなことが起こっているとなれば、もう放ってはおけませんよね。
いざ、モバイル最適化!6つのポイント
ホームページのモバイル最適化がどれほど重要であるかは充分にお分かりいただけたと思います。
ここからは実際にホームページをモバイル最適化する際に押さえておきたいポイントについて解説します。
レスポンシブデザインを採用する
レスポンシブデザインとは、デバイスの画面サイズを限定することなくウェブサイトを構築する手法です。「レスポンシブ(responsive)=良く反応」の名前通り、モバイルデバイスの画面サイズに合わせて見やすい表示に自動で切り替える仕組みを持つデザインを言います。
パソコンでも、タブレットでも、スマートフォンでも…と、複数のデバイスに対応し、自動的にレイアウトや要素を調整してくれるので、ユーザー体験を向上させるためにはなくてはならない機能です。
モバイルフレンドリーなコンテンツを作成する
モバイル最適化ではコンテンツにも工夫が必要です。
スマートフォンなどのモバイルデバイスで閲覧することを想定して、読みやすく、操作しやすいコンテンツを作成します。
もし新聞が、文字数はそのまま、サイズが1/4になったと想像すると、読む前に何だか目が回ってしまいそうですよね。モバイル最適化の際は、パソコンに比べ、画面サイズの小さなモバイルデバイス向けに情報は簡潔にわかりやすくまとめることが大切です。
なおかつモバイル特有の操作に対応することで、ユーザーの利便性を高めることも必要になります。
ページ表示速度を最適化する
ページ表示速度とは、ユーザーがホームページにアクセスした際、そのページが表示されるまでにかかった速度をさします。
モバイルデバイスの通信環境は安定しないため、ページの読み込み速度が遅いとユーザーの離脱率が上がります。つまりは、そのホームページを訪れることを諦めてしまうのです。当然、CV率(コンバージョン率:Webサイトやページを訪れたユーザーのうち、商品の購入や問い合わせなど、最終的な成果に至った人の割合)にも大きな影響を与えます。
画像やコンテンツの最適化、キャッシュ(一度見たWebページの情報を、それぞれのブラウザに一時的に保存しておく仕組み)の活用などの手法を用いて、ページの表示速度を向上させる必要があります。また、このページ表示速度はGoogleの評価において重要な指標です。検索結果で上位表示させるためにも必ず押さえるべきポイントです。
タッチ操作に最適化する
モバイルデバイスではタッチ操作が主流です。
指でタップすることを想定したボタンやリンクのサイズ設定、さらにはモバイルデバイス特有の操作に対応できることが重要となります。
例えば、スマートフォンで行う主な操作はこちらです。
- フリック(flick)
- 素早く動かす、弾くという意味の「フリック」は、タッチスクリーンに触れて
素早く指先を上下左右の方向に払う(スライドさせる)操作を言います。 - スワイプ(swipe)
- フリックとよく似ていますが、弾く感覚よりも指先を滑らして、上下左右の方向に
スライドさせる操作を言います。 - ピンチ(pinch)
- 2本の指でタッチスクリーンをつまむように操作することを言います。
指の間隔を狭くさせる操作が「ピンチイン」、広げるように動かして間隔を広げる操作が
「ピンチアウト」です。 - タッチアンドホールド
(touch & hold) - タッチスクリーンに指をあて、タップしたままの状態にすることです。
アプリのアイコンを整理する際は、この「タッチアンドホールド」を使い、ホールドしたアイコンを
移動、編集することができます。
モバイルテストとユーザーフィードバックの収集
モバイル最適化を進める場合は、実際のモバイルデバイスでホームページやアプリをテストし、ユーザーフィードバックを収集することが重要です。ここに書いたポイントを全て網羅したとしても、ユーザーの意見や要望を反映できなければ、企業側の独りよがりなホームページになってしまいます。
お客さまの声に耳を傾け、継続的な改善を行うことでユーザー体験は向上させることができるのです。
スマートフォンに代わる新たなモバイルデバイスが今後登場したとしても、人々が「時間と場所を選ばず瞬時に情報にアクセスできる環境」を求めることに変わりはないはずです。
この点において、ホームページの「モバイル最適化」はこれからも必須事項であり続けるでしょう。
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