企業のホームページには、必須とも言えるコンテンツがいくつかあります。
会社概要や事業内容、お問い合わせページ…など、どれも欠かすことが出来ないものばかりですが、その中のひとつが「アクセス」のコンテンツです。ただ単に住所を表示するだけでなく、地図を活用してお店までのアクセス方法をわかりやすく記載します。お客さまに直接お店に訪問してもらう飲食店や販売店であればなおさら重要なコンテンツですが、実際にホームページに取り込むとなると、その地図の表示をどう表現するか迷う方も多いのではないでしょうか。
今回は単純に見えて、意外に奥深い「ホームページの地図表示」について解説します。
悩みどころ!王道の「Googleマップ」か、自由度の高い「イラスト地図」か
ホームページに「アクセス」のコンテンツを作成する時、最初に悩むのが「Googleマップを埋め込むべきか」、それとも「イラスト地図を作成すべきか」の選択ではないでしょうか。
まずはそれぞれの特徴を押さえ、メリット・デメリットを比較した上で自社に合った最適解を見つけましょう。
Googleマップの埋め込みとは?
Googleマップの埋め込みとは、「拡大・縮小」や「移動」などの機能を保持したまま、ホームぺージに地図を表示することをいいます。Googleマップで生成されたコードを読み込み、Googleマップそのものをホームページに埋め込んで表示させる方法です。
Googleマップを埋め込むメリット
ホームページからの離脱を防ぎやすい
アクセスのコンテンツでGoogleマップへ移動する外部リンクを設置してしまうと、せっかく興味を持って訪れてくれたユーザーが一時的に自社のホームページから離れてしまいます。中にはそのまま戻ってこないケースもあるでしょう。
Googleマップを埋め込んでしまえば、ホームページ上で地図が確認できるため、こういった離脱を防ぎやすくなります。
アプリ連携でナビゲーションが可能になる
スマートフォンでホームページを見ている場合、埋め込んであるGoogleマップをタップし、「Googleマップで地図を開く」とすれば、アプリと連携してリアルタイムで道順を案内してくれます。多くの人がモバイルデバイスを利用している今日ではお馴染みと言える機能ですが、この手軽さが実際の来店につながる場合も多々あります。
ホームページ作成の初期工数がイラスト地図に比べ少ない
イラスト地図を作成する場合に比べ、Googleマップの埋め込みでは、生成されるコードをホームページ上に設定するだけなので、手間がかかりません。
Googleマップを埋め込むデメリット
ホームページに外部からデータを読み込むため、ページ表示速度が遅くなる可能性がある
自社ホームページ上でGoogleマップのAPIを読み込んで表示させるため、表示速度に影響が出る可能性があります。
ルート表示は必ずしも正確とは限らない
複雑に入り組んだ道などではGoogleマップの道順表示が正しくない場合もあります。
例えば、エントランスとは逆のビルの裏側へ案内されてしまうなど、場所によっては案内して欲しいルートの表示が出来ず、ユーザーを迷子にさせてしまう恐れがあります。
仕様変更などで、ルートが表示されなくなる可能性がある
こちらも、外部データを読み込むために起こりうる問題です。Google側になにか問題が生じた場合には、自社ホームページのGoogleマップも表示できなくなる可能性があります。
イラスト地図とは?
イラスト地図とは、その名の通り、地図をイラストで表現した画像のことです。ホームページ上にこの画像を表示し、アクセス方法を示します。
イラスト地図を表示するメリット
適したルートを自由に表現できる
縮尺や周りの主要建物などを自由に表現できることがイラスト地図の魅力です。
「ここからは道幅が狭くなっています!」という注意書きや、「ドラッグストアの黄色い看板を左折」など、訪問する際、実際にためになる情報を記載することも可能です。
また、観光地の場合は国内主要都市からのアクセス方法と移動時間を記載するなど、目的に応じた案内が可能になります。
ホームページのデザインとトーンを合わせやすい
ブランディングを重視する企業の場合、ホームページのデザインに合わせたイラスト地図を作成することで、全体の統一感を守ることができます。
ホームページの読み込みにかかる負荷が軽い
一つのコンテンツでホームページの読み込み速度が大きく左右されることはありませんが、表示速度を上げるにはコツコツと「チリ積も(塵も積もれば山となる)対策」をすることが肝心です。特に複数事業所や複数店舗などがある場合は、閲覧しているユーザーのためにも、また、検索結果の上位表示のためにも、イラスト地図にまとめておく方がよいでしょう。
イラスト地図を表示するデメリット
地図アプリとの連携機能がない
イラスト地図はあくまで画像であるため、地図アプリとの連携は出来ません。Googleマップを埋め込んだ時のように、ホームページで地図をタップすればリアルタイムで道案内表示をする…なんてことはイラスト地図では難しいでしょう。
イラスト作成のための初期工数がかかる
Googleマップが生成されたコードを埋め込むだけで済むのに対し、イラスト地図では、当然ながらそれを作図する工数が必要です。社内にイラスト作成が得意な方がいる、あるいはホームページ作成を制作会社に任せている場合でも、複数の支社・営業所のイラスト地図を何枚も作成しなければならないケースなどでは、それだけ初期コストがかかります。
Googleマップとイラスト地図…判断基準は?
こうして両者を比べてみると、Googleマップとイラスト地図ではメリット・デメリットが表裏一体である場合も多く、なかなか判断が難しそうです。そこで、自社のホームページにとって何が重要なのかを以下のポイントに絞って考えてみましょう。
アクセスについて、どんなニーズがあるのか?
例えば、かなり広い範囲を移動してもらうケースが多い、入り組んで分かりにくい道になっている…
など、道のりのいくつかのポイントで説明を必要とする丁寧な案内を求められる場合はイラスト地図がおすすめです。
一方、リアルタイムで位置表示案内が必要になる場合は、アプリ連携ができるGoogleマップをホームページに埋め込んでおくと良いでしょう。また、アクセスのページを見てもらうタイミングがさほど想定されない場合は、初期コストを抑えるためにGoogleマップの埋め込みを選択するという判断もできます。
そもそも、ホームページに求めるものは?
ブランディングと利便性、企業としては両方を叶えたいのが本音ですよね。
ただ、ホームページの目的として比重の高い方はどちらか?ということを考えてみるといいかもしれません。ブランディング重視ならば、自由度の高いイラスト地図、ルート案内として機能を重視するならGoogleマップ…と、ホームページそのものの目的に立ち返り、再確認してみてください。
どちらを選択すべきか…答えが出ない!という方は、Googleマップとイラスト地図の両方を採用することも考えてみてください。他と同様、アクセスのコンテンツはユーザーのためのものです。「両方あった方がよりユーザーのためになる」という判断であれば、無理にどちらか一方を選ぶ必要はありません。
アクセスに関するユーザーのニーズと自社ホームページの目的をしっかりと押さえ、最適解を見つけ出しましょう!
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